「神隠しの村 遠野物語異聞」を読了しました。
長尾 誠夫さん作の「神隠しの村―遠野物語異聞」を読了いたしました。
以下、ネタバレ注意です。
いわゆる叙述トリックを使用した小説でした。前もって「遠野物語」を読んでいたのですが、そのおかげでこの「神隠しの村―遠野物語異聞」の内容もかなり理解しやすくなっていたのだろうと感じます。
読んでいる最中は、どんなオチがつくのかが分からず、ハラハラしていました。真実はどこにあるのか。どう考えてもトリックでは説明のつかない事象はなんなのか。そういうストーリー由来のハラハラも当然あったのですが、加えて、「こんな小説を世に出しちゃうとまずいのではないだろうか……?」というハラハラもありました。というのも、本作品には柳田国男、佐々木喜善といった実在の人物を登場させていて、かつ、その扱いがちょっと心配になるようなものだったんですよね……。「結末次第では誰かが怒りそうなお話だけど、どんなオチがつくのだろう」と心配になりながら読んでいました。
最後まで読んでみると、「なるほど、そういう話だったのか!」という驚きを覚えました。いったん完全に終わったかと思ったら、さらにどんでん返しがあったところは、印象的でした。真相は闇の中、という雰囲気で終わるのは、遠野物語に通ずるような不気味さがあったと思います。正直、「この最後のどんでん返しはないほうが物語としては良かったんじゃないかな?」と個人的には思ったのですが、作者さんの中では、実在の人物の人生を脚色したことに後ろめたさがあったからこそ、ああした展開にせざるを得なかったのかな、と思ったりしました(実際の佐々木喜善さんは小学校の先生ではなく看護師さんと結婚しています)。
ものすごく感動したお話である、というとちょっと違うのですがが、結末が明らかになる気持ちよさは味わえたなと思います。
以下、ネタバレ注意です。
いわゆる叙述トリックを使用した小説でした。前もって「遠野物語」を読んでいたのですが、そのおかげでこの「神隠しの村―遠野物語異聞」の内容もかなり理解しやすくなっていたのだろうと感じます。
読んでいる最中は、どんなオチがつくのかが分からず、ハラハラしていました。真実はどこにあるのか。どう考えてもトリックでは説明のつかない事象はなんなのか。そういうストーリー由来のハラハラも当然あったのですが、加えて、「こんな小説を世に出しちゃうとまずいのではないだろうか……?」というハラハラもありました。というのも、本作品には柳田国男、佐々木喜善といった実在の人物を登場させていて、かつ、その扱いがちょっと心配になるようなものだったんですよね……。「結末次第では誰かが怒りそうなお話だけど、どんなオチがつくのだろう」と心配になりながら読んでいました。
最後まで読んでみると、「なるほど、そういう話だったのか!」という驚きを覚えました。いったん完全に終わったかと思ったら、さらにどんでん返しがあったところは、印象的でした。真相は闇の中、という雰囲気で終わるのは、遠野物語に通ずるような不気味さがあったと思います。正直、「この最後のどんでん返しはないほうが物語としては良かったんじゃないかな?」と個人的には思ったのですが、作者さんの中では、実在の人物の人生を脚色したことに後ろめたさがあったからこそ、ああした展開にせざるを得なかったのかな、と思ったりしました(実際の佐々木喜善さんは小学校の先生ではなく看護師さんと結婚しています)。
ものすごく感動したお話である、というとちょっと違うのですがが、結末が明らかになる気持ちよさは味わえたなと思います。
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