ティラノゲームフェス2020で特に印象に残った作品をご紹介します。
こんにちは、九州壇氏です。
先日、ティラノゲームフェス(以下、TGF)2020がついにエンディングを迎えてしまいました。
僕は初めて制作者として参加したのもあって、けっこう寂しいですね……。
今回も昨年のフェス同様、積極的に参加作品をプレイさせて頂きました。
やれる範囲でなるべく沢山遊んだつもりだったんですが……。それでも、プレイできたのは全体の1/5ほどでした。
今年は本当に参加作品が多かったですよね。しかし、それを全てプレイした猛者もいるというのだから驚きです……!
(なお、僕が感想を書いた作品の一覧は、こちらです)
さて、今年も昨年同様に、特に印象に残った作品をご紹介させて頂きます。
(昨年の記事はこちらです)
今年も勝手に賞を作らせて頂きました。
マイベストゲーム賞(1作品)
僕が特に面白いと感じた作品。
脚本賞(8作品)
シナリオが特に優れていると感じた作品。
長編賞(5作品)
1時間以上の作品で、特に優れていると感じた作品。
中編賞(8作品)
1時間以内の作品で、特に優れていると感じた作品。
短編賞(5作品)
30分以内の作品で、特に優れていると感じた作品。
美術・演出賞(4作品)
美術面、演出面が特に優れていると感じた作品。
続編賞(3作品)
続編ものの作品の中で特に優れていると感じた作品。
グッドゲーム賞(4作品)
「ゲームとしてとにかく面白い!」と感じた作品。
なお、昨年と同様にはなりますが、少しだけ注意点を述べさせてください。
ここで書かせて頂くのはあくまで僕の主観的な意見に過ぎません。
また、僕はTGF2020参加作品の80%が未プレイである等、様々な偏りもあります。
それを踏まえて読んで頂けますと幸いです。
前置きが長くなり、すみません!
では、参ります。
マイベストゲーム賞(1作品)
「パーソナル・スペース」
ティラノゲームフェス2020参加作品の中で僕が1番好きな作品。スポンサー賞にも選ばせて頂きました。人間の儚さと強さを描いた傑作だと思います。未プレイの方には特にプレイして頂きたい作品の1つです。
これは完全に個人的な話で恐縮ですが、作者様のお話をお聞きしてから、BUMP OF CHICKENの「サザンクロス」がシロエとクロハの歌にしか聞こえなくなってしまい、同曲を定期的に聞かねば生きていけない体になりました(笑)
脚本賞(8作品)
「片恋スターマイン」
恋愛の描写が特に優れていると感じた作品。メインキャラクターである3人はみな魅力的で、それぞれに感情移入せずにはいられませんでした。僕は特に翔君が好きなんですが、先輩と結ばれるシナリオも秀逸です。個人的には、「相手の幸せを願う気持ち」が大切に描かれている点も素晴らしいと思いました。
「螺旋卵形線チェルアルコ」
その構成力に圧倒される作品です。プレイするごとに物語の背景が見えてきて、思わぬところで話がつながったりします。まるでパズルをやっているかのような爽快感があり、夢中になってプレイしました。世界観もよく作りこまれており、色々と考察もしたくなります。キャラクターで言うと、特にロクスが好きです。悩みながらも前に進み続ける主人公モナカも素敵でした。
「ティアマトの星影」
まさに「規格外」という言葉がふさわしい作品だと思います。シナリオは特に中盤からが素晴らしい。終盤の「再会」のシーンは、今でも強く心に残っています。ラストで味わった圧倒的な感動は、しばらく忘れられそうにありません。ED曲「星の海」は今でもよく聞く名曲です。
「ミラーリング・サマー」
この作品については何を書いてもネタバレになりそうでコメントが難しいのですが(笑) とにかく、素晴らしいシナリオの作品ですので、未プレイの方は是非やってみて下さい。実は自分も同じような方向性で作品を作ろうと考えたことがあったので、なおさら作者様に尊敬の念を抱いています。
「風待ち人 夢追い人」
「夢」というテーマに真摯に向き合ったシナリオが素晴らしかったです。それぞれの道を行く3人に対して、作者様の温かいまなざしが注がれていると感じました。キャラクターとしては特に金田が好き。挿入歌「よわむしスクートニプ」を使ったムービーも大変良かったです。
「死ぬよりもつらいこと」
重いテーマに真っ向から挑んだ魂の作品。自分では腰が引けてしまいそうなものも真摯に描いている点が素晴らしいと思いました。
また、本作品は展開の見せ方が巧みで、物語としての完成度も高いと感じました。僕はこの作者様の作る物語が好きなのですが、その中でも1番好きな作品です。
「嘘つきジョアンナと春の雪」
プレイ時間30分以内の作品の中で、おそらく1番心に響いた作品。正直、めっちゃ泣きました……。切なくも温かい作品で、多くの方にお勧めできる作品のひとつです。シナリオだけでなく、イラストやBGMの使い方も見事でした。
「ロスト・フレンド」
物語から感じるメッセージが、強く心に響きました。エンド前に分岐がありますが、その後の展開に僕は本作品の個性を感じています。「TRUE END」のイベントスチルを見た時は、目頭が熱くなりました。「昔の自分に読ませてあげたかったな」なんてことも考えた、印象深い作品です。
長編賞(5作品)
「モブだけど、主人公くんを好きになってもいいですか?」
作品を構成する全ての要素が丁寧に作られている作品。正統な恋愛青春もので安心して読めるシナリオですが、一方でそのテーマにはオリジナリティを感じました。ストレスを感じる要素もなく、読了後の満足感は大きかったです。ヒロイン2人はどちらも大変魅力的。正直、主人公くんが羨ましい(笑)
「こと国シスターズ」
3姉妹との交流が秀逸の作品。日常パートの楽しさは中毒性もあり、僕は何度も再読してしまいました。「ノーラたん」はTGF2020の流行語の1つと呼べるのではないでしょうか(笑) 終盤は分岐しますが、「解決方法の本質的なところは同じ」であることに、この物語にこめられたメッセージを感じました。イラストやボイスも素晴らしかったです。
「初恋の後悔」
主人公である玉木くんの成長を描いた物語。等身大の日常を丁寧に描いている点が素晴らしかったです。誠実なキャラクターが多く登場する本作品は、読んでいるだけで優しい気持ちになれました。クリア後の演出も素晴らしい。
「空の果てからこんにちは」
とにかく終始楽しく読めた作品。意外性のある設定や展開が面白く、読了後は他の方の感想も気になって仕方がなかったです(笑) 作品のいたるところでプレイヤーを楽しませようとする工夫を感じました。2人のヒロインはどちらも可愛い。
「四十年の初恋」
ハラハラする展開が続き、中盤以降は目が離せなくなってしまった作品。描写が実に生々しく、それだけに様々な感情を覚えましたが、あの結末はとても好きです。なお、BUMP OF CHICKENの歌詞を思わせる文章が出てくるので、その点も印象に残りました(笑)
中編賞(8作品)
「対象She-11に関する記録」
緊張と緩和が良いテンポで繰り返されるシナリオは、大変読みごたえがありました。絶望的な状況の中、希望を求めて奮闘する2人の姿にウルっときてしまいました。ノエーシスは格好良すぎる……!
「蒼白のマジックシールエメラルド」
主人公のシンが魅力的で、実に爽快感のある物語でした。彼のキャラクターが好きですし、彼の能力が明らかになるシーンは痺れました……! また、リーフィとのほどよい距離感が大変心地良かったです。迫力あるバトルシーンも見ごたえがある等、ファンタジーのおいしいところがぎゅっと詰まった作品だと思います。
「でじゃびびっど!」
ツンデレ幼馴染である愛里が大変可愛らしい作品。序盤、中盤の「対比」のシーンが出てくるたびに笑ってしまいました。また、終盤の展開には心を大きく揺さぶられました。僕は「HAPPY END」が好きですが、「他の方はどのエンドが好きなんだろう」ということにも興味がわきました。
「名もない吐息」
まさに“青春後”を生きている自分に、そっと寄り添ってくれたと感じる作品。メインキャラクター2人の距離感の描き方がとても好みです。また、彼らが時折見せてくれるユーモアも強く印象に残りました。
「和泉くんと三姉妹。」
三姉妹との交流が非常に楽しい作品。くるみちゃん、しずくちゃんはどちらもめちゃくちゃ可愛かったです。また、あまねさんは個別ルートが素晴らしく、一気に好きになってしまいました。そして、雅くんも負けず劣らず可愛かったです(笑) 立ち絵の表情もくるくる変わり、プレイしているだけでとても癒されました。
「高層マンション」
シナリオが秀逸で、どんな結末を迎えるのだろうと読む手を止められなくなった作品です。展開にはリアリティがあり、読了後は「幸せってなんだろう」、「自分の人生はどうだろう」と考えずにはいられませんでした。
「ヤドカリ」
「ヤドカリとは何か」という問いの力でぐいぐいとひきこまれてしまった作品。見せ方が巧みで、一気にラストまで読んでしまいました。キャラクターはいずれもいきいきと描かれており、立ち絵はなくともその挙動が目に浮かぶようでした。
「君が見た景色」
2人称で語られる、少女エリスの成長の物語。語り手は我々プレイヤーに向けて語りかけてくるのですが、その特殊な構造が大変興味深かったです。「この物語は何を意味しているのか」とあれこれ考えるのも楽しかったです。バックログの演出も好き。
短編賞(5作品)
「too late but」
創作活動を細々と続ける男の物語。シナリオが特に素晴らしく、主人公と自分を重ねながら読んでしまいました。人生のままならなさも描かれていますが、だからこそ、終盤の展開が輝いて見えたのだと感じます。実に味わい深いお話でした。
「ぶれいんぼむ」
幼馴染好きの自分にクリーンヒットした作品。ヒロインはみな魅力的ですが、その中でも祈赤が群を抜いて好きです。彼女の前でめっちゃ笑顔になる紺助も素晴らしい……! ゲームシステムはなかなか見ないものでしたが、そちらも面白かったです。
「天海のメッセージボトル」
15分あれば読める作品ですが、そのシナリオに大きく心を動かされました。「メッセージボトル」という装置がうまく生かされていて、ワクワクとさせてくれます。終盤の展開には、目頭が熱くなりました。幅広い年齢を演じ分けた声優さんの演技も素晴らしかったです。
「君と二人で歩くことが」
読んでいるだけでこちらも優しい気持ちになれる作品。凛と優介がみせる不器用な優しさが印象的でした。2人にはぜひ幸せになってほしい……! イラストも物語の優しい雰囲気によく合っていたと感じます。
「私の執事ジェラルド」
短編ながら、味わい深い3つのエンドを楽しむことが出来る作品。どのエンドも「バッドエンド」ではなく、読者によって好きなエンドは結構違うだろうなと思いました。どのエンドでも見られるジェラルドの「漢」っぷりが素敵。
美術・演出賞(4作品)
「フィルム・ラプンツェル」
「芸術作品と呼ぶべきでは?」なんてことまで思ってしまった作品。特に僕は、天音の美しさに圧倒されました。他に類を見ない演出もいくつかあって、その点も面白かったです。個人的には、祭里がどんな人物であったのかにも大変興味がわきました。
「リベリオン・ヒーローズ」
「デザインや演出は、もはやフリーゲームのレベルを超えているのでは?」と思った作品。お洒落さと可愛らしさが融合した、素晴らしい作品だったと思います。イラストは表情豊かで、キャラクターはみな生き生きとしていると感じました。ほのかとヤマトが本当にいいやつで、とても癒されます。
「VOICE ~私たちの選択~」
成瀬君と先生の色気にクラクラしてしまった作品。細かに表情が変わる演出が素晴らしい。後半、成瀬君の意外な一面が見えるシーンも好きです。また、シナリオも読みごたえがあり、とくに「夢」についての描写に心動かされました。声優学校で繰り広げられる学生生活のシーンも大変楽しかったです。
「Seek a country ~彼の地を夢見て~」
「読むRPG」という表現がしっくりくる作品。主人公ゼノたちの冒険を、ボイスとイラストが華やかに彩っていました。壮大な冒険を予感させるOPムービーも大変良かったです。また、本作品は丁寧に作られたシステムも素晴らしかったです。こだわりを感じるセーブ画面が良かったですし、個人的にはマップ機能に感動しました。
続編賞(3作品)
「メモリ - 学校の怪談 -」
思わぬ展開が続き、特に終盤のあるシーンでは鳥肌もたってしまった作品。様々な思惑が交差する物語で、結末を知った上でもう一度読むのも大変楽しかったです。洞察力と判断力に優れた先生が格好良すぎます……! また、洗練された文章も印象的で、百合子のユーモアを含んだ語りが心地よかったです。今後の展開も気になります。
「泣けない兎2」
「泣けない兎」の続編。主人公笛の弟である白夜の過去が明らかになっていく物語です。エンドによっては壮絶な展開を見ることにもなり、様々な感情に襲われました。笛と白夜には幸せになってほしい……! また、本作品はバッドエンドが「単なる間違い」ではない点も素晴らしいと思います。特定のエンドでしか見えないものも多々あるので、これからプレイされる方はぜひ全てのエンドを見てほしいです。
「みちのく怪奇譚 3話」
気軽にプレイできる伝奇もの。初めてこのシリーズを読んだのですが、問題なく楽しむことが出来ました。本作品の、なんだかほっとする雰囲気が好きです。また、この手のお話を「手軽に楽しめるもの」としてまとめている点も素晴らしいと思いました。
グッドゲーム賞(4作品)
「ありすすいーぱー」
間違いなく今回のフェスで1番遊んだ作品。僕はマインスイーパ未経験でしたが、めちゃくちゃハマってしまいました。特級はもう何度プレイした分かりません……! クリアした時のタイムは「4138.7」と表示されていたので、相当な時間やっていたはず(笑) なお、本作品はTwitterとの親和性が高く、結果を手軽につぶやけちゃう点も素晴らしかったです。
「THE MAGIC CRAFT エピソード2」
漫画とRPGが融合した「ロールプレイングコミック」。アドベンチャーパートとバトルパートの作り込みが素晴らしく、僕は1日中夢中になってプレイしてしまいました。ハードモードは特に序盤が難しかったですが、試行錯誤によって道が開けた時の達成感は凄まじかったです。少年漫画のようにスカッとさせてくれるストーリーも良い。
「エレベーター ~性格不安定な僕とみよちゃんの物語~」
実に細かいところまで作りこまれたレトロゲーム風ADV。どうすれば「けっこんエンド」にたどり着けるのだろうと試行錯誤するのが非常に楽しかったです。エンドロールが流れた時は、ちょっとウルっときてしまいました。色々な表情を見せてくれるみよちゃんがかわいい。でも、課長さんも好きです(笑)
「怒ると死にます。」
ストーリーとゲームシステムのどちらも面白く、ゲームとしての完成度の高さを強く感じた作品。緩急の使い方が秀逸で、どんどん楽しくなっていきました。ギャグ満載のシナリオには何度も笑ってしまいましたが、その中でも美喜ちゃんとの関係の変化もきちんと描いていた点が大変良かったです。美喜ちゃんは今も昔も可愛らしいですね。正直、「怒らせてみたい」と思った気持ちも理解できます(笑)
<最後に>
ご紹介したい作品はまだまだあるのですが、スペースの都合上ここまでにさせてください。
僕がプレイした作品は「別のブログ記事」で一覧にしておりますので、よろしければそちらもご覧ください。
来年のTGFが開催されるのかは、まだ不明です。ですが、もし開催されるのであれば、こうしてプレイヤーとして参加したいと思っています。
最後になりますが、制作者の皆様、素敵な作品をありがとうございました。
また、ティラノフェスを開催して下さった運営の方々、本当にありがとうございました!
先日、ティラノゲームフェス(以下、TGF)2020がついにエンディングを迎えてしまいました。
僕は初めて制作者として参加したのもあって、けっこう寂しいですね……。
今回も昨年のフェス同様、積極的に参加作品をプレイさせて頂きました。
やれる範囲でなるべく沢山遊んだつもりだったんですが……。それでも、プレイできたのは全体の1/5ほどでした。
今年は本当に参加作品が多かったですよね。しかし、それを全てプレイした猛者もいるというのだから驚きです……!
(なお、僕が感想を書いた作品の一覧は、こちらです)
さて、今年も昨年同様に、特に印象に残った作品をご紹介させて頂きます。
(昨年の記事はこちらです)
今年も勝手に賞を作らせて頂きました。
マイベストゲーム賞(1作品)
僕が特に面白いと感じた作品。
脚本賞(8作品)
シナリオが特に優れていると感じた作品。
長編賞(5作品)
1時間以上の作品で、特に優れていると感じた作品。
中編賞(8作品)
1時間以内の作品で、特に優れていると感じた作品。
短編賞(5作品)
30分以内の作品で、特に優れていると感じた作品。
美術・演出賞(4作品)
美術面、演出面が特に優れていると感じた作品。
続編賞(3作品)
続編ものの作品の中で特に優れていると感じた作品。
グッドゲーム賞(4作品)
「ゲームとしてとにかく面白い!」と感じた作品。
なお、昨年と同様にはなりますが、少しだけ注意点を述べさせてください。
ここで書かせて頂くのはあくまで僕の主観的な意見に過ぎません。
また、僕はTGF2020参加作品の80%が未プレイである等、様々な偏りもあります。
それを踏まえて読んで頂けますと幸いです。
前置きが長くなり、すみません!
では、参ります。
マイベストゲーム賞(1作品)
「パーソナル・スペース」
ティラノゲームフェス2020参加作品の中で僕が1番好きな作品。スポンサー賞にも選ばせて頂きました。人間の儚さと強さを描いた傑作だと思います。未プレイの方には特にプレイして頂きたい作品の1つです。
これは完全に個人的な話で恐縮ですが、作者様のお話をお聞きしてから、BUMP OF CHICKENの「サザンクロス」がシロエとクロハの歌にしか聞こえなくなってしまい、同曲を定期的に聞かねば生きていけない体になりました(笑)
脚本賞(8作品)
「片恋スターマイン」
恋愛の描写が特に優れていると感じた作品。メインキャラクターである3人はみな魅力的で、それぞれに感情移入せずにはいられませんでした。僕は特に翔君が好きなんですが、先輩と結ばれるシナリオも秀逸です。個人的には、「相手の幸せを願う気持ち」が大切に描かれている点も素晴らしいと思いました。
「螺旋卵形線チェルアルコ」
その構成力に圧倒される作品です。プレイするごとに物語の背景が見えてきて、思わぬところで話がつながったりします。まるでパズルをやっているかのような爽快感があり、夢中になってプレイしました。世界観もよく作りこまれており、色々と考察もしたくなります。キャラクターで言うと、特にロクスが好きです。悩みながらも前に進み続ける主人公モナカも素敵でした。
「ティアマトの星影」
まさに「規格外」という言葉がふさわしい作品だと思います。シナリオは特に中盤からが素晴らしい。終盤の「再会」のシーンは、今でも強く心に残っています。ラストで味わった圧倒的な感動は、しばらく忘れられそうにありません。ED曲「星の海」は今でもよく聞く名曲です。
「ミラーリング・サマー」
この作品については何を書いてもネタバレになりそうでコメントが難しいのですが(笑) とにかく、素晴らしいシナリオの作品ですので、未プレイの方は是非やってみて下さい。実は自分も同じような方向性で作品を作ろうと考えたことがあったので、なおさら作者様に尊敬の念を抱いています。
「風待ち人 夢追い人」
「夢」というテーマに真摯に向き合ったシナリオが素晴らしかったです。それぞれの道を行く3人に対して、作者様の温かいまなざしが注がれていると感じました。キャラクターとしては特に金田が好き。挿入歌「よわむしスクートニプ」を使ったムービーも大変良かったです。
「死ぬよりもつらいこと」
重いテーマに真っ向から挑んだ魂の作品。自分では腰が引けてしまいそうなものも真摯に描いている点が素晴らしいと思いました。
また、本作品は展開の見せ方が巧みで、物語としての完成度も高いと感じました。僕はこの作者様の作る物語が好きなのですが、その中でも1番好きな作品です。
「嘘つきジョアンナと春の雪」
プレイ時間30分以内の作品の中で、おそらく1番心に響いた作品。正直、めっちゃ泣きました……。切なくも温かい作品で、多くの方にお勧めできる作品のひとつです。シナリオだけでなく、イラストやBGMの使い方も見事でした。
「ロスト・フレンド」
物語から感じるメッセージが、強く心に響きました。エンド前に分岐がありますが、その後の展開に僕は本作品の個性を感じています。「TRUE END」のイベントスチルを見た時は、目頭が熱くなりました。「昔の自分に読ませてあげたかったな」なんてことも考えた、印象深い作品です。
長編賞(5作品)
「モブだけど、主人公くんを好きになってもいいですか?」
作品を構成する全ての要素が丁寧に作られている作品。正統な恋愛青春もので安心して読めるシナリオですが、一方でそのテーマにはオリジナリティを感じました。ストレスを感じる要素もなく、読了後の満足感は大きかったです。ヒロイン2人はどちらも大変魅力的。正直、主人公くんが羨ましい(笑)
「こと国シスターズ」
3姉妹との交流が秀逸の作品。日常パートの楽しさは中毒性もあり、僕は何度も再読してしまいました。「ノーラたん」はTGF2020の流行語の1つと呼べるのではないでしょうか(笑) 終盤は分岐しますが、「解決方法の本質的なところは同じ」であることに、この物語にこめられたメッセージを感じました。イラストやボイスも素晴らしかったです。
「初恋の後悔」
主人公である玉木くんの成長を描いた物語。等身大の日常を丁寧に描いている点が素晴らしかったです。誠実なキャラクターが多く登場する本作品は、読んでいるだけで優しい気持ちになれました。クリア後の演出も素晴らしい。
「空の果てからこんにちは」
とにかく終始楽しく読めた作品。意外性のある設定や展開が面白く、読了後は他の方の感想も気になって仕方がなかったです(笑) 作品のいたるところでプレイヤーを楽しませようとする工夫を感じました。2人のヒロインはどちらも可愛い。
「四十年の初恋」
ハラハラする展開が続き、中盤以降は目が離せなくなってしまった作品。描写が実に生々しく、それだけに様々な感情を覚えましたが、あの結末はとても好きです。なお、BUMP OF CHICKENの歌詞を思わせる文章が出てくるので、その点も印象に残りました(笑)
中編賞(8作品)
「対象She-11に関する記録」
緊張と緩和が良いテンポで繰り返されるシナリオは、大変読みごたえがありました。絶望的な状況の中、希望を求めて奮闘する2人の姿にウルっときてしまいました。ノエーシスは格好良すぎる……!
「蒼白のマジックシールエメラルド」
主人公のシンが魅力的で、実に爽快感のある物語でした。彼のキャラクターが好きですし、彼の能力が明らかになるシーンは痺れました……! また、リーフィとのほどよい距離感が大変心地良かったです。迫力あるバトルシーンも見ごたえがある等、ファンタジーのおいしいところがぎゅっと詰まった作品だと思います。
「でじゃびびっど!」
ツンデレ幼馴染である愛里が大変可愛らしい作品。序盤、中盤の「対比」のシーンが出てくるたびに笑ってしまいました。また、終盤の展開には心を大きく揺さぶられました。僕は「HAPPY END」が好きですが、「他の方はどのエンドが好きなんだろう」ということにも興味がわきました。
「名もない吐息」
まさに“青春後”を生きている自分に、そっと寄り添ってくれたと感じる作品。メインキャラクター2人の距離感の描き方がとても好みです。また、彼らが時折見せてくれるユーモアも強く印象に残りました。
「和泉くんと三姉妹。」
三姉妹との交流が非常に楽しい作品。くるみちゃん、しずくちゃんはどちらもめちゃくちゃ可愛かったです。また、あまねさんは個別ルートが素晴らしく、一気に好きになってしまいました。そして、雅くんも負けず劣らず可愛かったです(笑) 立ち絵の表情もくるくる変わり、プレイしているだけでとても癒されました。
「高層マンション」
シナリオが秀逸で、どんな結末を迎えるのだろうと読む手を止められなくなった作品です。展開にはリアリティがあり、読了後は「幸せってなんだろう」、「自分の人生はどうだろう」と考えずにはいられませんでした。
「ヤドカリ」
「ヤドカリとは何か」という問いの力でぐいぐいとひきこまれてしまった作品。見せ方が巧みで、一気にラストまで読んでしまいました。キャラクターはいずれもいきいきと描かれており、立ち絵はなくともその挙動が目に浮かぶようでした。
「君が見た景色」
2人称で語られる、少女エリスの成長の物語。語り手は我々プレイヤーに向けて語りかけてくるのですが、その特殊な構造が大変興味深かったです。「この物語は何を意味しているのか」とあれこれ考えるのも楽しかったです。バックログの演出も好き。
短編賞(5作品)
「too late but」
創作活動を細々と続ける男の物語。シナリオが特に素晴らしく、主人公と自分を重ねながら読んでしまいました。人生のままならなさも描かれていますが、だからこそ、終盤の展開が輝いて見えたのだと感じます。実に味わい深いお話でした。
「ぶれいんぼむ」
幼馴染好きの自分にクリーンヒットした作品。ヒロインはみな魅力的ですが、その中でも祈赤が群を抜いて好きです。彼女の前でめっちゃ笑顔になる紺助も素晴らしい……! ゲームシステムはなかなか見ないものでしたが、そちらも面白かったです。
「天海のメッセージボトル」
15分あれば読める作品ですが、そのシナリオに大きく心を動かされました。「メッセージボトル」という装置がうまく生かされていて、ワクワクとさせてくれます。終盤の展開には、目頭が熱くなりました。幅広い年齢を演じ分けた声優さんの演技も素晴らしかったです。
「君と二人で歩くことが」
読んでいるだけでこちらも優しい気持ちになれる作品。凛と優介がみせる不器用な優しさが印象的でした。2人にはぜひ幸せになってほしい……! イラストも物語の優しい雰囲気によく合っていたと感じます。
「私の執事ジェラルド」
短編ながら、味わい深い3つのエンドを楽しむことが出来る作品。どのエンドも「バッドエンド」ではなく、読者によって好きなエンドは結構違うだろうなと思いました。どのエンドでも見られるジェラルドの「漢」っぷりが素敵。
美術・演出賞(4作品)
「フィルム・ラプンツェル」
「芸術作品と呼ぶべきでは?」なんてことまで思ってしまった作品。特に僕は、天音の美しさに圧倒されました。他に類を見ない演出もいくつかあって、その点も面白かったです。個人的には、祭里がどんな人物であったのかにも大変興味がわきました。
「リベリオン・ヒーローズ」
「デザインや演出は、もはやフリーゲームのレベルを超えているのでは?」と思った作品。お洒落さと可愛らしさが融合した、素晴らしい作品だったと思います。イラストは表情豊かで、キャラクターはみな生き生きとしていると感じました。ほのかとヤマトが本当にいいやつで、とても癒されます。
「VOICE ~私たちの選択~」
成瀬君と先生の色気にクラクラしてしまった作品。細かに表情が変わる演出が素晴らしい。後半、成瀬君の意外な一面が見えるシーンも好きです。また、シナリオも読みごたえがあり、とくに「夢」についての描写に心動かされました。声優学校で繰り広げられる学生生活のシーンも大変楽しかったです。
「Seek a country ~彼の地を夢見て~」
「読むRPG」という表現がしっくりくる作品。主人公ゼノたちの冒険を、ボイスとイラストが華やかに彩っていました。壮大な冒険を予感させるOPムービーも大変良かったです。また、本作品は丁寧に作られたシステムも素晴らしかったです。こだわりを感じるセーブ画面が良かったですし、個人的にはマップ機能に感動しました。
続編賞(3作品)
「メモリ - 学校の怪談 -」
思わぬ展開が続き、特に終盤のあるシーンでは鳥肌もたってしまった作品。様々な思惑が交差する物語で、結末を知った上でもう一度読むのも大変楽しかったです。洞察力と判断力に優れた先生が格好良すぎます……! また、洗練された文章も印象的で、百合子のユーモアを含んだ語りが心地よかったです。今後の展開も気になります。
「泣けない兎2」
「泣けない兎」の続編。主人公笛の弟である白夜の過去が明らかになっていく物語です。エンドによっては壮絶な展開を見ることにもなり、様々な感情に襲われました。笛と白夜には幸せになってほしい……! また、本作品はバッドエンドが「単なる間違い」ではない点も素晴らしいと思います。特定のエンドでしか見えないものも多々あるので、これからプレイされる方はぜひ全てのエンドを見てほしいです。
「みちのく怪奇譚 3話」
気軽にプレイできる伝奇もの。初めてこのシリーズを読んだのですが、問題なく楽しむことが出来ました。本作品の、なんだかほっとする雰囲気が好きです。また、この手のお話を「手軽に楽しめるもの」としてまとめている点も素晴らしいと思いました。
グッドゲーム賞(4作品)
「ありすすいーぱー」
間違いなく今回のフェスで1番遊んだ作品。僕はマインスイーパ未経験でしたが、めちゃくちゃハマってしまいました。特級はもう何度プレイした分かりません……! クリアした時のタイムは「4138.7」と表示されていたので、相当な時間やっていたはず(笑) なお、本作品はTwitterとの親和性が高く、結果を手軽につぶやけちゃう点も素晴らしかったです。
「THE MAGIC CRAFT エピソード2」
漫画とRPGが融合した「ロールプレイングコミック」。アドベンチャーパートとバトルパートの作り込みが素晴らしく、僕は1日中夢中になってプレイしてしまいました。ハードモードは特に序盤が難しかったですが、試行錯誤によって道が開けた時の達成感は凄まじかったです。少年漫画のようにスカッとさせてくれるストーリーも良い。
「エレベーター ~性格不安定な僕とみよちゃんの物語~」
実に細かいところまで作りこまれたレトロゲーム風ADV。どうすれば「けっこんエンド」にたどり着けるのだろうと試行錯誤するのが非常に楽しかったです。エンドロールが流れた時は、ちょっとウルっときてしまいました。色々な表情を見せてくれるみよちゃんがかわいい。でも、課長さんも好きです(笑)
「怒ると死にます。」
ストーリーとゲームシステムのどちらも面白く、ゲームとしての完成度の高さを強く感じた作品。緩急の使い方が秀逸で、どんどん楽しくなっていきました。ギャグ満載のシナリオには何度も笑ってしまいましたが、その中でも美喜ちゃんとの関係の変化もきちんと描いていた点が大変良かったです。美喜ちゃんは今も昔も可愛らしいですね。正直、「怒らせてみたい」と思った気持ちも理解できます(笑)
<最後に>
ご紹介したい作品はまだまだあるのですが、スペースの都合上ここまでにさせてください。
僕がプレイした作品は「別のブログ記事」で一覧にしておりますので、よろしければそちらもご覧ください。
来年のTGFが開催されるのかは、まだ不明です。ですが、もし開催されるのであれば、こうしてプレイヤーとして参加したいと思っています。
最後になりますが、制作者の皆様、素敵な作品をありがとうございました。
また、ティラノフェスを開催して下さった運営の方々、本当にありがとうございました!
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