(ネタバレ注意)ノベルゲーム「call calm trans」をプレイしました。

「呼び声のするトコロ」の吾妹木綿さんによるノベルゲーム「call calm trans」をプレイしました。選択肢はなく、クリアまでは1時間30分ほどでした。登場人物たちの優しい交流に、こちらまで優しい気持ちになれる。そんな作品でした。以下、ネタバレ注意です。








最初に言っておくと、僕はこのゲームの制作者である吾妹木綿さんのファンです。というのも、僕が初めてプレイしたノベルゲームが、吾妹木綿さんによるノベルゲーム「call angel voice」だったんですよね。この作品でノベルゲームの良さを知った僕は、以降色々な作品に手を出すようになったのでした。
そんな僕の原点とも呼べる体験を与えてくれた制作者さんでしたので、この「call calm trans」の公開は非常に嬉しかったです。本作品も、僕の好きな雰囲気を持った作品でした。

callシリーズの良さの1つとして、登場人物が皆優しいことがあげられると僕は思っています。
「どうするのが優しさなのか」
「何をすれば相手のためになるのか」
それを悩みながら行動する人が、たくさん出てきます。「さすがにちょっとお人好し過ぎるんじゃない?」なんて思ってしまうことも時々あるんですが(笑) この温かな優しさが、僕は今も昔も大好きなんですよね……!

本作品の千尋は、まさに「callらしい」キャラクターだと思います。「腎臓をくれ」という冒頭のセリフにはちょっとビックリしましたが(笑) 彼は本当にいいやつですよね。つらい目に沢山あっている時、優しくできる人ってそんなに多くないと思うんです。運命を呪い、「他の人も巻き添えにしてやる」と考える人も実際いますから。千尋の姿を見ていると、自分の姿を顧みずにはいられなかったです。
また、個人的には、「気持ちに理由はいらない」という夏美の言葉が印象に残りました。その通りだと思ったし、いかにも夏美らしい言葉という点も好きです。
余談ですが、過去作で出てきた彼女らがまた登場してくれて嬉しかったです。晴子が主任になっているところはちょっと驚きました(笑) 彼女らも、色々な患者と出会い、成長しているんだろうなあ……。

作中の雰囲気も大好きです。どんな雰囲気かといわれれば、ちょっとうまく形容できないのですが……。「call」をプレイしていると、雪が降っている時にコタツに入っているような、ひっそりとした温かさを感じるんですよね(笑) 閉鎖的な空間で繰り広げられるドラマだからこそ、そのように感じるのかもしれません。自分が初めてノベルゲームをプレイした時のことも思い出して、なんだかしみじみとしてしまいました。

前作「call pure pain」から13年という月日がたっていますが、またこうして新作を出してくださった制作者さんには、感謝しています。次回作がもしあれば是非プレイしたいと思います。

この記事へのコメント

吾妹
2020年09月28日 21:57
どうもです。
call calm transをプレイしていただきありがとうございます。
13年経って少しは大人になったつもりの精神で作ったcallはまあ当時と変わらないcallだった感じです。
相変わらず9割方病院で動きもなくずっと話しているだけで、人を選ぶ作品だろうなと思います。
それでも少しでも誰かが触れてくれたなら幸せなことです。
もういい歳ですが次回作を作り出せるよう健康でありたいものです。
それでは。
九州壇氏
2020年11月02日 17:08
このたびはご返信が大変遅くなり申し訳ございません。まさか制作者様がわざわざコメント頂けるとは思っておらず……。コメント頂きまして、本当にありがとうございます。
本文にも書きましたが、こうして作品を公開して頂けたことをとても嬉しく思っております。「call」シリーズは、良い意味で変わっていないところもあると
思います。が、一方で、歴代の登場人物たちの成長を感じられる等、変わっている部分もあり、そこもまた興味深く拝見させて頂きました。本当にありがとうございました。
また作品を公開して頂けると、いちファンとしては大変嬉しいです。健康については、自分も最近気を付けるようになりました(笑) 吾妹木綿さんもどうぞご自愛くださいませ。今後のご活躍も応援させて頂きます。

この記事へのトラックバック