「精神分析的心理療法の実践」を再読いたしました。
以前にも読んだ「精神分析的心理療法の実践」を再読いたしました。以前書いた感想はこちら。
今回は、学びの部分を列挙してみました。完全に自分用ですので、あしからず……。
・どの心理療法でも共通して言えるのは、頭で理解するだけではダメで、体験的に理解しなければならないということ。
・精神分析は、現実的なセラピストの人間的限界を理論によって補うこと。
まず、心を尽くして相手をわかろうとする姿勢がいる。そのうえで理論も使えると。
・相手をわかろうとしている時は、受容だの教官だのという言葉では言い表せないような、もっと真剣勝負のような心境になる。関係が深くなってくると、それどころではない感じ。
・まずはアセスメントが大事。アセスメント面接と心理検査は車の両輪のようなもの。
・導入は大事。患者は自分の勝手な期待を作り出して、こういうことをしてもらえるだろうと思いがち。「本人が自分で出来る力をつけていく」というスタンスをしっかり作る。「私はこういうことをする役割だ」というのをはっきり伝えておく。
・「患者の中の健康な自我と治療者の自我とが同盟を結ぶ」というフロイトの言葉。
・とりあえずの目標を設定する。
・セラピストは現実問題に手出しをしない方がいい。きちんと自分の役割を明確に。
・話を聞き続けていると、その人の内面の超自我が緩んでくる。それが治療的。
心理療法を動かしている原理の1つが、治療的退行。
治療的な退行を促進しつつ、一方では対抗していない自我があり続ける。大綱を通じて、自分をより分かるという仕事を一緒に進めていく。「一時部分的退行」
・フロイトは、共感よりも「平等に漂う注意」を強調している。その人についていって、いつもあらゆるところに同じくらいに注意を漂わせる。そうすると、おのずから重要な課題が浮き彫りになってくると。
・現実的現実よりも心的現実を大事にする。
・転移には、感情の転移と防衛の転移がある。防衛の転移とは、感情を意識化しないためにとる態度。ただ、両者はそんなに明確には分けられない。
・転移を材料として扱い、認知のゆがみ、関係性のゆがみ、理解の仕方のゆがみを理解していくのが重要。「転移性抵抗をhere and nowで解決する」。慣れないとなかなか怖い。
・転移は「何かが起こっているな」と気が付くことがまず大事。
・転移は解釈されることによって解消されるという効果を持つ。
・セラピストが態度で示している、応答しているそのことだけで転移を解消させていることが結構ある。
・仮説を持つと同時に、あまり押し付けないでそれを自分の前意識のあたりでうろうろさせておく。
・逆転移については、セラピストが自分の歪みを自覚しておくことが大事。特に、攻撃性のやり取りに関して臆病な人が多い。
・抵抗が起こる時は、まず不安が起こってくる。治療が進んでくるという子とは、出会いたくない自分にであるようになることだから。
・セラピーのプロセスとは、抵抗と関わり続けることだといってもいいくらい。
・抵抗には種類がある。防衛抵抗(自我の抵抗)。超自我の抵抗。エスの抵抗。二次的利得性抵抗。
・防衛抵抗とは、これまで身についたパターンで防衛をすること。
・超自我の抵抗とは病気が治らないようにする抵抗。それによって自己処罰している。病気が良くなったら罪悪感が目の前に出てしまうから、それに対して抵抗する。
・エスの抵抗。これは難解。フロイトは「死の本能がある」といった。自分を破壊の方へ導いていこうとする本能。
・二次的利得性抵抗は、病気になってみたらこんな徳があったという発見から生まれたもの。
・神経症が良くなっていくのは、プライドが傷つく体験でもある。自分が病気であることや人とうまくいかないことがプライドの材料になっている場合もあるから。でも、これは決して自分にとって望ましいことではないと気が付かなければならない。理想像がある場合、「それは無理なんですよ」と認め、理想の自分を手放さなくてはらなくなってくる。
・人間の内面はどう展開して、どう動いて、どういう時にどうなるのか、という論的理解をたくさん持っていればいるほど、それがその人の武器になる。
・使えるものまで使えなくしてしまう退行を促さない配慮が必要。
・フロイトの言う「解釈」とは「セラピストがクライエントに積極的にかかわっていく」というあり方。
・相手に説明したところで、ちっとも前に変わらない。分かって変えてゆくことを続けなければならない。
・「動かしていこうとする」という姿勢が非常に強いのが精神分析の立場。この辺がロジャース派などから批判されるところ。「あくまでもセラピストが働きかけて、言える限りのことを適切に言い続けていかないと変わってこないのだ」というのが精神分析の考え方。精神分析的なかかわりでは、セラピストの受動性と能動性が両方とも必要。
・「明確化」と「直面化」
明確化とは、その人がもうすでに言った事柄の中で「これは大切だ」とおもうことを取り上げてはっきりさせること。
直面化とは、「相手が見まいとしていること、気が付いていないことを見るように働きかける」こと。「防衛で逃げたな」とか「言っていることが矛盾しているな」という時に、問いかける。ただ、批判的な気持ちでやってはダメ。
・解釈ついては、遅すぎるくらいの方がいい。その方が相手も理解できるし、受け入れやすい。
・解釈では仮説を持つ。たくさんの仮説を持っていると武器になる。が、決めつけてはいけない。
・徹底操作とは、どういうことを解決するべきなのかよく分かってきてから、さらに、それを展開させ続けて、様々なことをやり続けること。一定期間必要。理解、納得しただけではその人の行動パターン、防衛パターンは変わらないから。
・「螺旋階段を上っていく」のが大事。
・元のパターンに何度も戻るのはよくあること。繰り返すというのは、良い対象表象がクライエントの内面になかなか根付かないということ。根付きかけると排除されるということを繰り返しながら、次第に少しずつ根付いていく。
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今回は、学びの部分を列挙してみました。完全に自分用ですので、あしからず……。
・どの心理療法でも共通して言えるのは、頭で理解するだけではダメで、体験的に理解しなければならないということ。
・精神分析は、現実的なセラピストの人間的限界を理論によって補うこと。
まず、心を尽くして相手をわかろうとする姿勢がいる。そのうえで理論も使えると。
・相手をわかろうとしている時は、受容だの教官だのという言葉では言い表せないような、もっと真剣勝負のような心境になる。関係が深くなってくると、それどころではない感じ。
・まずはアセスメントが大事。アセスメント面接と心理検査は車の両輪のようなもの。
・導入は大事。患者は自分の勝手な期待を作り出して、こういうことをしてもらえるだろうと思いがち。「本人が自分で出来る力をつけていく」というスタンスをしっかり作る。「私はこういうことをする役割だ」というのをはっきり伝えておく。
・「患者の中の健康な自我と治療者の自我とが同盟を結ぶ」というフロイトの言葉。
・とりあえずの目標を設定する。
・セラピストは現実問題に手出しをしない方がいい。きちんと自分の役割を明確に。
・話を聞き続けていると、その人の内面の超自我が緩んでくる。それが治療的。
心理療法を動かしている原理の1つが、治療的退行。
治療的な退行を促進しつつ、一方では対抗していない自我があり続ける。大綱を通じて、自分をより分かるという仕事を一緒に進めていく。「一時部分的退行」
・フロイトは、共感よりも「平等に漂う注意」を強調している。その人についていって、いつもあらゆるところに同じくらいに注意を漂わせる。そうすると、おのずから重要な課題が浮き彫りになってくると。
・現実的現実よりも心的現実を大事にする。
・転移には、感情の転移と防衛の転移がある。防衛の転移とは、感情を意識化しないためにとる態度。ただ、両者はそんなに明確には分けられない。
・転移を材料として扱い、認知のゆがみ、関係性のゆがみ、理解の仕方のゆがみを理解していくのが重要。「転移性抵抗をhere and nowで解決する」。慣れないとなかなか怖い。
・転移は「何かが起こっているな」と気が付くことがまず大事。
・転移は解釈されることによって解消されるという効果を持つ。
・セラピストが態度で示している、応答しているそのことだけで転移を解消させていることが結構ある。
・仮説を持つと同時に、あまり押し付けないでそれを自分の前意識のあたりでうろうろさせておく。
・逆転移については、セラピストが自分の歪みを自覚しておくことが大事。特に、攻撃性のやり取りに関して臆病な人が多い。
・抵抗が起こる時は、まず不安が起こってくる。治療が進んでくるという子とは、出会いたくない自分にであるようになることだから。
・セラピーのプロセスとは、抵抗と関わり続けることだといってもいいくらい。
・抵抗には種類がある。防衛抵抗(自我の抵抗)。超自我の抵抗。エスの抵抗。二次的利得性抵抗。
・防衛抵抗とは、これまで身についたパターンで防衛をすること。
・超自我の抵抗とは病気が治らないようにする抵抗。それによって自己処罰している。病気が良くなったら罪悪感が目の前に出てしまうから、それに対して抵抗する。
・エスの抵抗。これは難解。フロイトは「死の本能がある」といった。自分を破壊の方へ導いていこうとする本能。
・二次的利得性抵抗は、病気になってみたらこんな徳があったという発見から生まれたもの。
・神経症が良くなっていくのは、プライドが傷つく体験でもある。自分が病気であることや人とうまくいかないことがプライドの材料になっている場合もあるから。でも、これは決して自分にとって望ましいことではないと気が付かなければならない。理想像がある場合、「それは無理なんですよ」と認め、理想の自分を手放さなくてはらなくなってくる。
・人間の内面はどう展開して、どう動いて、どういう時にどうなるのか、という論的理解をたくさん持っていればいるほど、それがその人の武器になる。
・使えるものまで使えなくしてしまう退行を促さない配慮が必要。
・フロイトの言う「解釈」とは「セラピストがクライエントに積極的にかかわっていく」というあり方。
・相手に説明したところで、ちっとも前に変わらない。分かって変えてゆくことを続けなければならない。
・「動かしていこうとする」という姿勢が非常に強いのが精神分析の立場。この辺がロジャース派などから批判されるところ。「あくまでもセラピストが働きかけて、言える限りのことを適切に言い続けていかないと変わってこないのだ」というのが精神分析の考え方。精神分析的なかかわりでは、セラピストの受動性と能動性が両方とも必要。
・「明確化」と「直面化」
明確化とは、その人がもうすでに言った事柄の中で「これは大切だ」とおもうことを取り上げてはっきりさせること。
直面化とは、「相手が見まいとしていること、気が付いていないことを見るように働きかける」こと。「防衛で逃げたな」とか「言っていることが矛盾しているな」という時に、問いかける。ただ、批判的な気持ちでやってはダメ。
・解釈ついては、遅すぎるくらいの方がいい。その方が相手も理解できるし、受け入れやすい。
・解釈では仮説を持つ。たくさんの仮説を持っていると武器になる。が、決めつけてはいけない。
・徹底操作とは、どういうことを解決するべきなのかよく分かってきてから、さらに、それを展開させ続けて、様々なことをやり続けること。一定期間必要。理解、納得しただけではその人の行動パターン、防衛パターンは変わらないから。
・「螺旋階段を上っていく」のが大事。
・元のパターンに何度も戻るのはよくあること。繰り返すというのは、良い対象表象がクライエントの内面になかなか根付かないということ。根付きかけると排除されるということを繰り返しながら、次第に少しずつ根付いていく。
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