(ネタバレ注意)「Without you」を読みました。
かなり間が空いてしまいすみません。プライベートがやや忙しかったのですが、そちらも少し落ち着きました。引き続き、感想および作者さん予想を書いていきたいと思います。
今回は、「Without you」です。以下、ネタバレ注意でお願いします。
では早速、読者としての感想から。一言でいうと、かなり好みのストーリーでした。
語り手は、史や響ではありません。共通ルートでは登場しなかった「響を撥ねてしまった男」が主人公です。なかなか意外な目線ですよね。主人公は離婚の経験がある、というのもちょっと珍しいと思います。
それから、肝心のストーリー展開について。これ、かなり好きなお話でした。もちろん、客観的にもレベルの高い展開を見せていると思います。しかし、それに加えて九州壇氏の嗜好にがっちりとはまってしまったんですよね。ラスト(とはいえ、エピローグ前までですが)は「いい話だぜ、この野郎!」とニヤニヤしながら見ていました。
僕個人は「すごく男らしい主人公が大活躍します!」という物語より、「弱いところもある主人公が成長していく」展開のほうが好きなのです。そっちの方が本当っぽいという気がするんですよね。フリーノベルゲーム界で僕が1番好きなキャラクターは「ひとかた」の「南護」なんですが、彼がこの上なく格好良く見えたのも、弱さある主人公だったからだと思います。この主人公も消極的な自分に打ち克つ姿をみせてくれますが、このシーンは特に良かったです。自分も、いつでもこうありたいな、と思ったりしますw
では、次に作者としての感想を。
少し意外な目線を持ってはいますが、王道的な純愛ものの展開を見せてくれる作品です。特徴は、地の文に心理描写が重きを置かれていることだと思います。さらに、その心理描写も、「消極的、悲観的な自分の声が、呪縛のように何度も聞こえてきてしまう」というふうに描かれる傾向があります。自分を奮い立たせる心理描写はもちろんですが、心の弱さを描くことも大切に考えているのではないかな、と想像します。主人公として史や響が選ばれなかった理由も、「弱さを持っている主人公」としては彼らが適切ではなかったためかもしれません。
また、文章のリズムを整える目的でしょう、主人公の独語も多めです。逆に、情景描写はそれほど詳細には書かれません。とはいえ、ノベルゲームでは背景絵も付きますのでそれほど気にはなりません。ノベルゲームを作り慣れている印象を受けます。
総じて、登場人物らの「心の動き」に重きを置かれた作品だと感じました。
では、肝心の作者さん当てについて。
実は、これも少し迷っていますw 作品のまとまりがある分、ヒントとして拾える「とっかかり」が少ないのです。たぶんあの人だと思うけど決め手に欠ける、という状態で、悶々としています。
他の作品を読めば答えが変わるかもしれませんが、今のところは「LAT」のケイトーさんではないかと考えています。情景描写よりも心理描写に重きを置かれていること、登場人物の弱さがこれでもかと描かれていることが疑う根拠です。「こんな物語」の主人公はすごく格好良い男でしたが、彼にも「後ろ向きな自分の声」がずっと聞こえていましたよね。系統として似ているように感じます。
他に候補を挙げるとするならば、「だいだいsnow」の栗桐文輝さん、それから「ゆめいろの空へ」のNaGISAさんがいます。文体が違うように思うので積極的には疑わないのですが、除外もできないんじゃないかなと考えています。卑怯ですけど、今後ほかの作品に触れることでより具体的な予測をつけたいと思います。
では、今日はこの辺で。次回は「彼女達は兄の夢をみるか?」について書きます。
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今回は、「Without you」です。以下、ネタバレ注意でお願いします。
では早速、読者としての感想から。一言でいうと、かなり好みのストーリーでした。
語り手は、史や響ではありません。共通ルートでは登場しなかった「響を撥ねてしまった男」が主人公です。なかなか意外な目線ですよね。主人公は離婚の経験がある、というのもちょっと珍しいと思います。
それから、肝心のストーリー展開について。これ、かなり好きなお話でした。もちろん、客観的にもレベルの高い展開を見せていると思います。しかし、それに加えて九州壇氏の嗜好にがっちりとはまってしまったんですよね。ラスト(とはいえ、エピローグ前までですが)は「いい話だぜ、この野郎!」とニヤニヤしながら見ていました。
僕個人は「すごく男らしい主人公が大活躍します!」という物語より、「弱いところもある主人公が成長していく」展開のほうが好きなのです。そっちの方が本当っぽいという気がするんですよね。フリーノベルゲーム界で僕が1番好きなキャラクターは「ひとかた」の「南護」なんですが、彼がこの上なく格好良く見えたのも、弱さある主人公だったからだと思います。この主人公も消極的な自分に打ち克つ姿をみせてくれますが、このシーンは特に良かったです。自分も、いつでもこうありたいな、と思ったりしますw
では、次に作者としての感想を。
少し意外な目線を持ってはいますが、王道的な純愛ものの展開を見せてくれる作品です。特徴は、地の文に心理描写が重きを置かれていることだと思います。さらに、その心理描写も、「消極的、悲観的な自分の声が、呪縛のように何度も聞こえてきてしまう」というふうに描かれる傾向があります。自分を奮い立たせる心理描写はもちろんですが、心の弱さを描くことも大切に考えているのではないかな、と想像します。主人公として史や響が選ばれなかった理由も、「弱さを持っている主人公」としては彼らが適切ではなかったためかもしれません。
また、文章のリズムを整える目的でしょう、主人公の独語も多めです。逆に、情景描写はそれほど詳細には書かれません。とはいえ、ノベルゲームでは背景絵も付きますのでそれほど気にはなりません。ノベルゲームを作り慣れている印象を受けます。
総じて、登場人物らの「心の動き」に重きを置かれた作品だと感じました。
では、肝心の作者さん当てについて。
実は、これも少し迷っていますw 作品のまとまりがある分、ヒントとして拾える「とっかかり」が少ないのです。たぶんあの人だと思うけど決め手に欠ける、という状態で、悶々としています。
他の作品を読めば答えが変わるかもしれませんが、今のところは「LAT」のケイトーさんではないかと考えています。情景描写よりも心理描写に重きを置かれていること、登場人物の弱さがこれでもかと描かれていることが疑う根拠です。「こんな物語」の主人公はすごく格好良い男でしたが、彼にも「後ろ向きな自分の声」がずっと聞こえていましたよね。系統として似ているように感じます。
他に候補を挙げるとするならば、「だいだいsnow」の栗桐文輝さん、それから「ゆめいろの空へ」のNaGISAさんがいます。文体が違うように思うので積極的には疑わないのですが、除外もできないんじゃないかなと考えています。卑怯ですけど、今後ほかの作品に触れることでより具体的な予測をつけたいと思います。
では、今日はこの辺で。次回は「彼女達は兄の夢をみるか?」について書きます。
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