(ネタバレ注意)ノベルゲーム「ほしのの」をプレイしました。
四月になって初めてのブログになります。みなさん、今年度もよろしくお願いいたします。
さて、4月になりまして、ようやくノベルゲームをプレイする余裕もでてきました。というわけで、本日は先日プレイいたしました「ほしのの」の感想を書かせていただきます。「今更かい」と突っ込みたくなるような超有名作なのですが、なるほど良い物語でした。以下、ネタバレ注意。
田舎を舞台に、従姉の「はるねえ」との心の交流を描いた作品ですが、非常にレベルの高い作品であったと思います。特に、「夏、田舎、ほのぼの」などの言葉が大好きな人にはうってつけでしょう。
いち読者としての感想を述べる上では、はるねえのかわいらしさを書かねばなりませんねw僕は、彼女との気恥ずかしくなるほどに温かい交流を見ているうちに、思わず頬が緩んでしまいました。ひとりで「うわぉ……」などとため息をつく姿は我ながら気持ちが悪かったのですが……。ま、これが本作の正しい楽しみ方ですから、仕方がないんでしょう、はいw
さて、次に製作者としての視点でこの作品を見てみようと思います。
前述しましたが、欠点らしい欠点はなく、良い意味で「プロっぽい」作品だと感じました。そんな印象を抱かせてくれた要因は、「文章の表現力」と「構成の丁寧さ」でしょうね。
文章の良さは、多くの方に共感いただけることと思います。本作は一人称で進んでいくのですが、主人の心理描写は個性的な表現、真に迫る表現もみられ、なかなか読みごたえがありました。たとえば、
「夜が好きだった。人の気配を感じない、限りなく広い空間を認識できる、この心地よい孤独が好きだった」
などですね。こういった表現は、淡々と物語を書いているだけではなかなか出てこないはずです。おそらく、作者さん自身が普段感じてらっしゃることなんでしょう。これら表現を組み込むことは、物語の進行の上ですごく大切というわけではありませんでしたが、個人的には好印象でした。
それから、情景描写。こちらについては、僕が言うまでもないですね。夏、田舎の空気を具体的に丁寧に、かつくどくなることなく描くことが「ほしのの」の優しい雰囲気を根底で支えています。ぜひとも僕も真似しなければなりません。
また、プロっぽさを感じさせるほかの要因としては、話の組み立て方が丁寧であることがあげられます。はるねえと主人公の距離が徐々に縮まっていく過程はスムーズでストレスなく楽しませてくれますし、家族や友人との支えあいも要所で出てきて心を温かくしてくれます。物騒な出来事や大きな事件が起こるわけではないが、等身大の日常を生きる主人公たちを優しく描く。こちらについても隙がなく、ハイレベルな作りとなっていたと感じました。
少しだけ気になった点を挙げるとするならば、ラストがやや尻すぼみであったと感じたことでしょうか。もちろん、この物語ははるねえと主人公の心の交流の過程こそが重要であり、ふたりで星を見るシーンこそがもっとも大切なシーンであったと思いますから、手術後のことはさほど重要ではないとの見方もあるでしょう。しかし、星空のもとであれだけ物語が盛り上がった分、淡々とラストにつながってしまったという感があります。欲を言うのであれば、手術後にもうひと演出あってもよかったのかな、と感じました。
しかしながら、全体的に非常にレベルの高い作品でした。ノベルゲームを始めたばかりの方も含めて多くの方にお勧めできると感じます。夏に向かっていくこの季節、みなさんもぜひプレイを。
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さて、4月になりまして、ようやくノベルゲームをプレイする余裕もでてきました。というわけで、本日は先日プレイいたしました「ほしのの」の感想を書かせていただきます。「今更かい」と突っ込みたくなるような超有名作なのですが、なるほど良い物語でした。以下、ネタバレ注意。
田舎を舞台に、従姉の「はるねえ」との心の交流を描いた作品ですが、非常にレベルの高い作品であったと思います。特に、「夏、田舎、ほのぼの」などの言葉が大好きな人にはうってつけでしょう。
いち読者としての感想を述べる上では、はるねえのかわいらしさを書かねばなりませんねw僕は、彼女との気恥ずかしくなるほどに温かい交流を見ているうちに、思わず頬が緩んでしまいました。ひとりで「うわぉ……」などとため息をつく姿は我ながら気持ちが悪かったのですが……。ま、これが本作の正しい楽しみ方ですから、仕方がないんでしょう、はいw
さて、次に製作者としての視点でこの作品を見てみようと思います。
前述しましたが、欠点らしい欠点はなく、良い意味で「プロっぽい」作品だと感じました。そんな印象を抱かせてくれた要因は、「文章の表現力」と「構成の丁寧さ」でしょうね。
文章の良さは、多くの方に共感いただけることと思います。本作は一人称で進んでいくのですが、主人の心理描写は個性的な表現、真に迫る表現もみられ、なかなか読みごたえがありました。たとえば、
「夜が好きだった。人の気配を感じない、限りなく広い空間を認識できる、この心地よい孤独が好きだった」
などですね。こういった表現は、淡々と物語を書いているだけではなかなか出てこないはずです。おそらく、作者さん自身が普段感じてらっしゃることなんでしょう。これら表現を組み込むことは、物語の進行の上ですごく大切というわけではありませんでしたが、個人的には好印象でした。
それから、情景描写。こちらについては、僕が言うまでもないですね。夏、田舎の空気を具体的に丁寧に、かつくどくなることなく描くことが「ほしのの」の優しい雰囲気を根底で支えています。ぜひとも僕も真似しなければなりません。
また、プロっぽさを感じさせるほかの要因としては、話の組み立て方が丁寧であることがあげられます。はるねえと主人公の距離が徐々に縮まっていく過程はスムーズでストレスなく楽しませてくれますし、家族や友人との支えあいも要所で出てきて心を温かくしてくれます。物騒な出来事や大きな事件が起こるわけではないが、等身大の日常を生きる主人公たちを優しく描く。こちらについても隙がなく、ハイレベルな作りとなっていたと感じました。
少しだけ気になった点を挙げるとするならば、ラストがやや尻すぼみであったと感じたことでしょうか。もちろん、この物語ははるねえと主人公の心の交流の過程こそが重要であり、ふたりで星を見るシーンこそがもっとも大切なシーンであったと思いますから、手術後のことはさほど重要ではないとの見方もあるでしょう。しかし、星空のもとであれだけ物語が盛り上がった分、淡々とラストにつながってしまったという感があります。欲を言うのであれば、手術後にもうひと演出あってもよかったのかな、と感じました。
しかしながら、全体的に非常にレベルの高い作品でした。ノベルゲームを始めたばかりの方も含めて多くの方にお勧めできると感じます。夏に向かっていくこの季節、みなさんもぜひプレイを。
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