(ネタバレ注意)「キミはキメラR」をプレイしました。
文章を書けずフラストレーションがたまってきている九州壇氏です。すっかり暖かくなってきましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。別れと出会いのこの季節、大切にしたいですね。
さて、久しぶりにノベルゲームの感想を書かせていただきます。「Star gazer」の星見テラセさんによる「キミはキメラR」です。Android版が非常に多くの方にプレイされている有名作で今更僕が取り上げるのもどうかと思うんですが、是非とも感想を書きたい作品でしたので書かせていただくことにしました。以下、ネタバレ注意。
この物語は、題名の通り、「キメラ」であるハマルと主人公の恋愛を描いたものです。ひとでないものとの恋愛ということで「えげつないラスト、もしくは救われないラストになるんじゃ・・・・・・」とドキドキしましたが。実は、ニヤニヤしてしまうほどの純愛が描かれている作品です。ハマルのかわいらしさ、主人公の真面目さが丁寧に描写されていて、多くのファンがいることもうなづけます。
さて、次に物書きとして読んでみて思うところを。
全体的に非常に軽快な描写で、かつ無駄がない文章であったと思います。軽快な描写って、重たい描写よりもずっと難しいですよね。作者さんは、すごく賢い方だと感じました。また、構成もよく練られていたと思います。テンポよく、かつ内容も濃いので、それが読ませる力につながっています。状況に流されて、気が付けばとんでもない状況になってしまう主人公ですが、そこへの違和感も少ないです。読者を取り込む描写の仕方は、僕も見習わなければなりませんね。
それから、ラストについてもかたらなければなりません。
結末の消化不良感は多くの方が感じたところかもしれません。もちろん、主人公がハマルを受け入れた、これからどうあろうともハマルを守る、という思いを持つにいたるのは、とても後味が良いんですけれど。真実が明かされていく過程があれだけ綺麗でしたから、「さて、これからどう解決されていくんだ!?」という期待も読者の中で大きく膨らんでいたと思うんですよね。ですから、ラストが少し物足りなく感じてしまうのかもしれません。だが、しかし。作者さんのブログを見ると、実は続編があるそうです(直接ハマルたちが出るとは限らない、とのことですが)。ですから、こちらについては、まんまと作者さんの手中で転がされてしまっているわけですw これは、次回作を楽しみに待つしかありません。これだけ読者に期待させちゃうのも、ストーリーが優れていたことの証でしょう。
さて、僕が気になった点は、主人公の心理描写です。主人公はハマルの思いに答えるまでに時間がかかりますが、そこでの心理描写がもう少し丁寧でもよかったのではないかと思うんですよね。
作品の中で、主人公はハマルの告白の答えを先延ばしにし、挙句の果てには逃げてしまいます。彼のことを「ヘタレ」と感じる方もいらっしゃるでしょうw でも、僕は彼をヘタレとは思わない。実際にああいう形で「ハマルとともに生きていく」方向に導かれてしまうと、いくらハマルが良い子で、かわいそうな子だとしても受け入れたくない気持ちが出ると思うんですよ。「どうして自分ばかりがこんな責任を負わなければならないのか」という怒りとか、「周囲の人の思い通りにはなりたくない」というプライドとか、「人間ではない、特別な力を持つ子と一緒に生きていけるのだろうか」という恐怖とか。いくら主人公の責任感が強いとはいっても、突然環境が大きく変わってしまうことに対して拒絶したい気持ちがでるのは至極当然で、人間らしいことだと思います。そこらへんの描写がもう少しあれば、彼へ共感できる気持ちも高まり、ひいては「それでも、ハマルを受け入れる」という結論により大きな感動があったんじゃないかな、と。……まあ、要は僕自身がヘタレなので、彼がヘタレのように見えてしまう描写がかわいそうに感じただけなんですけどねw
しかし、素直で真面目な二人の恋愛描写はキュンキュンしますし、ハッピーエンドに対する安堵感もなかなかのものです。みなさんも、癒されたくなったらぜひプレイしてみてください。
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さて、久しぶりにノベルゲームの感想を書かせていただきます。「Star gazer」の星見テラセさんによる「キミはキメラR」です。Android版が非常に多くの方にプレイされている有名作で今更僕が取り上げるのもどうかと思うんですが、是非とも感想を書きたい作品でしたので書かせていただくことにしました。以下、ネタバレ注意。
この物語は、題名の通り、「キメラ」であるハマルと主人公の恋愛を描いたものです。ひとでないものとの恋愛ということで「えげつないラスト、もしくは救われないラストになるんじゃ・・・・・・」とドキドキしましたが。実は、ニヤニヤしてしまうほどの純愛が描かれている作品です。ハマルのかわいらしさ、主人公の真面目さが丁寧に描写されていて、多くのファンがいることもうなづけます。
さて、次に物書きとして読んでみて思うところを。
全体的に非常に軽快な描写で、かつ無駄がない文章であったと思います。軽快な描写って、重たい描写よりもずっと難しいですよね。作者さんは、すごく賢い方だと感じました。また、構成もよく練られていたと思います。テンポよく、かつ内容も濃いので、それが読ませる力につながっています。状況に流されて、気が付けばとんでもない状況になってしまう主人公ですが、そこへの違和感も少ないです。読者を取り込む描写の仕方は、僕も見習わなければなりませんね。
それから、ラストについてもかたらなければなりません。
結末の消化不良感は多くの方が感じたところかもしれません。もちろん、主人公がハマルを受け入れた、これからどうあろうともハマルを守る、という思いを持つにいたるのは、とても後味が良いんですけれど。真実が明かされていく過程があれだけ綺麗でしたから、「さて、これからどう解決されていくんだ!?」という期待も読者の中で大きく膨らんでいたと思うんですよね。ですから、ラストが少し物足りなく感じてしまうのかもしれません。だが、しかし。作者さんのブログを見ると、実は続編があるそうです(直接ハマルたちが出るとは限らない、とのことですが)。ですから、こちらについては、まんまと作者さんの手中で転がされてしまっているわけですw これは、次回作を楽しみに待つしかありません。これだけ読者に期待させちゃうのも、ストーリーが優れていたことの証でしょう。
さて、僕が気になった点は、主人公の心理描写です。主人公はハマルの思いに答えるまでに時間がかかりますが、そこでの心理描写がもう少し丁寧でもよかったのではないかと思うんですよね。
作品の中で、主人公はハマルの告白の答えを先延ばしにし、挙句の果てには逃げてしまいます。彼のことを「ヘタレ」と感じる方もいらっしゃるでしょうw でも、僕は彼をヘタレとは思わない。実際にああいう形で「ハマルとともに生きていく」方向に導かれてしまうと、いくらハマルが良い子で、かわいそうな子だとしても受け入れたくない気持ちが出ると思うんですよ。「どうして自分ばかりがこんな責任を負わなければならないのか」という怒りとか、「周囲の人の思い通りにはなりたくない」というプライドとか、「人間ではない、特別な力を持つ子と一緒に生きていけるのだろうか」という恐怖とか。いくら主人公の責任感が強いとはいっても、突然環境が大きく変わってしまうことに対して拒絶したい気持ちがでるのは至極当然で、人間らしいことだと思います。そこらへんの描写がもう少しあれば、彼へ共感できる気持ちも高まり、ひいては「それでも、ハマルを受け入れる」という結論により大きな感動があったんじゃないかな、と。……まあ、要は僕自身がヘタレなので、彼がヘタレのように見えてしまう描写がかわいそうに感じただけなんですけどねw
しかし、素直で真面目な二人の恋愛描写はキュンキュンしますし、ハッピーエンドに対する安堵感もなかなかのものです。みなさんも、癒されたくなったらぜひプレイしてみてください。
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