(ネタバレ注意!)サウンドノベル「心がほしかった僕のおはなし」をプレイしました。

寒さに参ってしまいそうになっている九州壇氏です。ホント、今年の冬は寒いですよね。周囲ではインフルエンザも流行しているようですし、皆さんもどうぞお気をつけ下さいませ。
さて、久しぶりにサウンドノベルの感想を書かせていただきます。実はちょっと長めのお話を読んでいる最中なのですが、それとは別でプレイさせていただいたものをご紹介いたします。「ひこーきとくも」のしおりさんによる「心がほしかった僕のおはなし」です。ややグロい描写がある作品ですが、それ故に童話のような雰囲気とのコントラストが映えていたように思いました。以下、ネタバレ注意です。















この作品は5分ほどで読了できるものでしたが、個人的にかなり印象に残りました。一言で言いますと、ギャップがすごいんですよね。童話っぽい雰囲気で進む一方、「心」を完全に排除した描写が貫かれています。そういう方法をとることで、こちらの「心」に訴えかけてくるものがあると感じました。
主人公はロボットで、彼(彼女?)を視点とした一人称で語られますが、ロボットだけあってその語りはひどく淡白です。また、彼がとってしまった行動も、文字通り「こころない」ものです。結末もまた救いがないようにも思いますが、そこまでの過程には、「悲しい」だとか「切ない」といった言葉が一切出てきません。あるのは、ただ事実だけです。そんな徹底した姿勢のおかげでしょう、「博士」が微笑んでいた、という事実は、すごく印象深く感じました。彼がどんな人間か、何を考えていたかはほとんど分からないんですが、そういう描写を極力排除しているからこその余韻なのだと思います。
欲を言えば、もう少しだけ長くてもよかったような気がします。具体的に言いますと、もう少しだけ博士との交流を見せてもらえると嬉しかったかなとも思うんですよね。しかし、最後まで徹底して心理描写を排除した文章と、それを生かすストーリー運びは面白かったと感じます。あっという間に読み終わりますので、皆さんも是非。

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